手を伸ばせば石壁に遮られ、 天井は完全に立たずとも頭に触れ。 もし大地が無ければ足も伸ばせただろうに、 大地はベニヤ板で出来ている訳ではないので簡単に折れるはずもない。 かつて慣れ親しんだ公園には常に影が潜む。 皆、自分の飼い慣らしたペットが影に食われたことに気付かないまま。 一人、ふらふらとした足取りで漸く逃げ果せた時、 あの公園をテーブルに影は祝杯をあげていた。 楽園には人間が増え、微笑より嘲笑がポピュラーになった。 夢は確実に悪意を伝える為の手段と化した。 侵略者達は隅々の埃を綺麗に取り除いたが、 その全てが空気となって復讐の牙を体内に突き立てんと舞い踊る。 泣き場所を失った水の精は潔しを選び、 揃って自決の道を歩んだ。 凝固した元人間達は自らの最期の要因を永遠に知れない。 身体に物が触れることが窮屈だ。 この世にいる限りは必ず何かに触れ、包まれる。 あの世を目指せば、影に食われて包まれるだろう。 真空は果たして無か。 真に我が周りに原子一つ存在しない世は。 覚醒は遠い。途方も無く。 光の粒子の届かぬ場所。 知りえる元素の全てから隔離された場所。 ここは窮屈だ。