あいつにとって、睡眠は風呂に入るような物なんだ。
一日過ごす間、心に嫌というほどひっついた埃、泥、雑草の葉にクラッカーのカス。
それと隣の嬢ちゃんがこけてぶちまけたコーンスープを、
あいつはこうして睡眠をとるだけでこれ以上ないほど綺麗に洗い流しちまう。
だから、あいつはいつも昼間は底抜けに明るく振舞ってみせるし、
何をされても文句の一つも出さないんだ。
そういう訳だから、どうかあいつを起こさないでやってくれ。
お前も、風呂から引きずり出されるのは嫌だろう?
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私は、何事にも挫けません。
私は、崩れない階段を上っています。
私は、偽りの世を見ません。幻にも逃げません。
私は、目の前の事を放り出してまで好きな物に手を出しません。
私は、この世界の全てに感謝します。
私は、ただ一つを除き、他の全ての世界を祝福します。
私は、
どんなに阻まれようとも、
どんなに疎まれようとも、
例え目の前に広がる物が唯一絶対の常闇でも、
例え約束された将来が地獄への一本橋だとしても、
けして、絶望しません。
だから、貴方も簡単に世を見つめることを止めないでください。
もっと深く深く世の海へ潜り、失われし財宝を探してください。
永く永く生きて、どうか貴方と私の生を無駄無き物へと昇華させてください。
私の世を呪う人へ。
貴方の世を呪う人より。
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