そのロボットは、その場から動く必要がありませんでした。
なので、ロボット製作者は他の部分に力をいれようと、
ロボットの足を取って潰し、他の部品に変えました。
そのロボットは、物を押したり引いたりひっくり返したりする必要もありませんでした。
なので、ロボット製作者は他の部分に力をいれようと、
ロボットの手も取って潰し、他の部品に変えました。
そのロボットの体は、そもそも足やら手やらを動かす為にあったので、もう必要ありません。
なので、ロボット製作者は他の部分に力をいれようと、
ロボットの胴体を丁寧に外して潰し、他の部品に変えました。
そのロボットには音声認識機能がないので、形だけの耳は意味がありません。
なので、ロボット製作者は他の部分に力をいれようと、
ロボットの耳を外して潰し、他の部品に変えました。
そのロボットには臭いを感じる機能もないので、形だけの鼻も意味がありません。
なので、ロボット製作者は他の部分に力をいれようと、
ロボットの鼻の部分を外して潰し、他の部品に変えました。
実はそのロボットには物を見る機能もなくて、目の部分も必要ありませんでした。
なので、ロボット製作者は他の部分に力をいれようと、
ロボットの目をくりぬいて潰し、他の部品に変えました。
もうお気づきかもしれませんが、
実はそのロボットは音声出力もできないので、口も必要ないのです。
なので、ロボット製作者は他の部分に力をいれようと、
ロボットの口の稼動部分をすっかり取り上げて、他の部品に変えました。
その元ロボット、現巨大な鉄の塊に何ができるかというと、
なんと物事を考えることが出来ます。
そう、鉄の塊の製作者は、沢山の物事を考えられるロボットを作ろうとしていたのです。
そして、ついに沢山の物事を考えられる鉄の塊を作り上げました。
完成した喜びに埋もれて、
鉄の塊製作者は、
とても大事な人間にそうするように、
鉄の塊に抱きつきました。
完成した喜びに埋もれて、
鉄の塊製作者は、
何故、設計段階であんなにも無駄な部分がたくさんついていたのか、
思い出すことができませんでした。
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