「…もう、私はここには居られない…。」 「ごめん…ごめん。ぼくの…」 「もう、それ以上言わないで…あなたは…私の、最初で最後の友達よ…」 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 ここは、小さく平和な星、ポップスター。 そこに、1人の少年のような心を持った、若者が住んでいた。 純粋な、ピンクの若者、カービィ これは、そんな彼の織り成す、 一つの物語(ストーリー)… 『フレンド』 〜一日目…出会い〜 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 あれは、たった三日の思い出。 三日間だけの、友達… 今日は、よく晴れていた。 ぼくは、散歩に出る事にした。 こんな晴れた日に、家の中に居るなんてもったいない。 …そう、思ったから。 ぼくの家に居候しているグーイに留守番を頼んで、ぼくは、外に跳び出した。 「よう!カービィ!今日も散歩か?」 途中で、リックに会った。 リックは、ぼくの親友のハムスターで、彼もよく散歩している。 「うん!リックも?」 「おう!カービィ、今日も一緒に行かないか?」 「えっと…今日は遠慮しとくよ。」 「そうか…ま、いいや。じゃーな!」 …何故断ったのか、自分にも解らなかった。 何か、もやもやした物を感じる。 これが、第六感って言うのかな? 急に、森に行きたくなった。 普段は、危険だから、入っちゃいけないって、言われている森。 今日は、『立ち入り禁止』の看板も、気にならなかった。 森の中を少し行った所に、 (たぶん今日のぼくのような)人が入らないように、綱が張ってあったけど、 ぼくは、それも無視して、森の奥へ入っていった。 しばらく、森の中を散策して、 やっぱり帰ろうかな?と思った時、 また、ぼくの第六感が働いた…。 ぼくは、森の中を疾走した。 やっぱり、何故かは解らなかった。 ただ、身体が勝手に道無き道を走っている…。 急に、目の前が開けた。 まばゆいばかりの反射光が、目に入ってくる。 そこは、泉だった。 透き通った水、それに映る木々が水面に揺れている…。 ぼくは、しばらく呆然としていたけど、 しだいに、喜びと興奮が湧いて来た。 大発見だ!誰もこの泉の事を知らないはずだもん! なんてったって、『立ち入り禁止の森』だもんね! …っと、ここ、立ち入り禁止だったっけ… そう思いながらも、ぼくは、一歩一歩泉に近づいていった。 その、綺麗な泉に惹かれたのかも知れないし、 …そこに存在した、彼女の事に感付いたのかも知れない。 そこに居たのは… 一匹の竜だった。 ぼくは、おもわず立ち止まって、その様子に見惚れていた。 小さめの竜で…妖精みたいだった。 水浴びをしている。 ポップスターのいろいろな所を旅してきたぼくだけど、 こんな竜は初めてだった。 何て言うか… …言い表せないほど、綺麗な外見で… この泉と、ピッタリだと思った。 「あの…」 ぼくは、思い切って声を掛けた。 その竜は、ひどく驚いて、泉の中に潜ってしまった。 「ねぇ、待ってよ!ぼく…」 ぼくは、慌てて泉に駆け寄ろうとして… 転んでしまった。 そのまま、ころころと転がって、泉にポチャンと落ちてしまった。 ぼくは、急いで、泉から出た。 泉から出て、転がっている時に打ったらしい頭を撫でていたら、 あの竜が顔を出して来た。 少しの間を置いて、思いっきり笑った。 …あまり、良い気持ちじゃなかった。 「あ、ごめんなさい、笑って…。」 そんな気持ちが顔に出たのか、その竜は謝ってきた。 「いいよ、謝らなくて。ねぇ、君、誰?」 「私は、ライク。…あなたは?」 あ、自分の名前を言うのを忘れていた。 いつもは、自分から名乗るのに…。 「ぼくは、カービィっていうんだ。ねぇ、ライク、ここに住んでいるの?」 「…うん。たぶん、これからも。」 「こんな所に住んでいる人が居るなんて、知らなかったなぁ…」 「そう、知られないように住んでいるから。」 「…知られちゃ、いけないの?」 「そう、いけないの。」 「じゃあ、友達とかもいないの?」 「ずっと一人だったから。」 「…どうして?」 「…私、珍しい種族でしょ?」 「そうなの?」 「そうなの。珍しくて、弱い種族なの。」 「ふぅん…でも、それが?」 「…私達の種族の鱗は、さまざまな色に光るの。」 ぼくは、それで、言い表せないような美しさなんだ、と思った。 「でね、それを手に入れて売るために、私達を殺す人が居るの。」 ぼくは、何も言えずにいた。 何より、そんな人がいるって事で、ショックだった。 ライクは続けた。 「輝きが、最高潮の時に死ぬと、その輝きは永遠なの。」 「プププランドに、そんな酷い人は居ないよ!」 ぼくは、やっとその一言を言えた。 そして、この泉から離れて、みんなと友達になってほしかった。 「…でも私は、ここに居なきゃダメなの。この泉を守らなきゃ…」 ぼくは、やっと気付いた。 ライクが居たから、この森は立ち入り禁止で…。 ライクが居たから、この森は綺麗で…。 「…じゃあ、友達だよ♪」 「え?」 「ぼくが、ライクの最初の友達だよ♪」 「どうして?初対面なのに…」 「ぼくと、話したでしょ?ぼくから、逃げなかったでしょ?」 「それは…」 「だったら…友達だよ!出会って…一緒に話したら、ぼく達は友達!」 「友達…カービィと…友達?」 「そうだよ。」 「…ありがとう。」 ぼくは、顔が赤くなるのを感じた。 友達だよって言って、『ありがとう』って言われたのが、 初めてだったからかもしれないし、 もしかしたら… それから、ぼく達は、二人で過ごした。 日が傾いてきて、 ぼくは、 「明日も来るね♪」 って言って、家路についた。 ただ、ぼくはその時は考えもしなかった。 『別れ』と言う事の存在を…。 その時は…まだ…。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



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