『カービィとゆかいな仲間たち』
第19話〜ラストバトル、VSリアルダークマター、そして…〜
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前回は…えっと、すみませんが自分で読んで下さい。
このナレーション、少々気が高ぶっております…。
ただいま、ドービィは全速力で上昇中。
そして、あの開けた空間へ出ます。
ドービィは、背中のカービィ&ナービィに気を使いながら、空中で静止します。
…とても静かでした。ダークマターの姿も見えません。
あたりに響くのは、ドービィが翼を動かす音のみ…。
≪カービィ、ここだな?≫
雲の中とは思えないほど、まるで洞窟の中に居るように、声は響き渡ります。
「うん…確かにこの辺のはずだけど…」
カービィは、前より濃くなった黒雲が気になっていました。
「ニャー?ピも君どうしたニャ?」
「ううん、別に…」
カービィはそう言って首(?)を振った後、周りを取り囲む闇、暗黒の雲に向かって叫びました。
「出て来い!ダークマター!!」
…一瞬の沈黙。そして、静かで、そして轟くような声。
「…負ケ犬が…フん…ダガ…貴様ハ我のあの姿を破っタ…特別に姿ヲ見せテヤル…」
暗黒の雲から、大きくて丸く、闇を切り取ったかのように黒いものが飛び出してきました。
黒い球体の表面に、亀裂のようなまっすぐな線がはしります。
その線から、黒い球の表面がぱっくりと割れます。
その中にあったのは…目、1つしかない目でした。
黒い球が目を見開くと同時に、ひとつひとつがカービィと同じくらいの大きさの、山吹色の花びらの
ような、鱗のような物が、黒い球の後ろ側に生えます。
「…これが…ダークマター?」
「…気安く我ノ名を呼ブナ…下等生物メ…」
≪ふん!随分となめられたもんだ!≫
「…一人ジャ勝てぬと解かレバ、数を増ヤスカ…愚かナ考エダ…」
「ただ増えただけじゃニャ−ニャ!うちらはピも君の仲間ニャ!!」
「…仲間…ダと…フン…くだラ…」
「くだらなくない!!」
カービィが言葉を遮りました。
「くだらなくないもん!ダークマタ−!今度こそ、絶対倒してやる!!」
ダークマターの大きな目が、カービィを睨みます。
「…たオス?我をタオスだと!?…下等生物ガ、負ケ犬ガァァぁぁぁァァ!」
ダークマターは、再び目を見開くと、背中(?)の鱗のような物をカービィ達に向かって飛ばします。
ドービィはそれを素早く避け、ダークマターの方に向き直ります。
≪いいか?カービィ。俺はなるべく、ダークマターに近づく!近づくから、防御を無視して斬りかか
れ!≫
ドービィは、ダークマターの体当たりや、四方八方に飛んで来る黒い弾を避けながら、早口でカー
ビィに言いました。
「ニャ−!防御はうちらが何とかするニャ−!!」
「うん!」
ふと、ダークマタ−の動きが止まりました。
ドービィは、今がチャンスとダークマタ−に突っ込みます。
ダークマターの目が、ドービィを捉えます。次の瞬間…。
バシュン!
ドービィの胴体に、黒くて太いレーザーが命中します。
しかし、ドービィはスピードを緩めません。
ダークマターは驚愕の表情(目)をしています。
そのまま近づき、カービィが虹の剣を振りかざします!
キィン…
…え?
「…コノ程度か…」
カービィ!効いていません、効いていませんよっ!?
「うそ…」
ああっ、カービィどうすんの!?ねぇ!!
≪うるせぇ!ナレーションが取り乱してんじゃねーよ!!≫
だってぇ!!
「ニャ、ニャレーションの敬語以外の言葉、初めて聞いたニャ…」
「ま、まあ、それは置いといて…どうしよう、パワーアップした虹の剣でもダメなんて…」
………ハッ、すみません。えーっと…ドービィは、飛びまわりながら、何かを考えているようでした。
そして、ひらめいたようです。しっぽを高く上げ、ナービィはそれを見て頷きました。
「え?なに?」
もちろん、カービィには何が何だか解かりません。
ドービィは、しっぽを何かに打ち付けるように振り下げ、急上昇します。…ダークマターの真上へ。
「じゃ、行って来るニャ。ドービィ。」
≪…あっさりやられるんじゃねーぞ…≫
「な、なにをする気なの?」
ナービィは、聞いているのか聞いていないのか、球形になります。
そして…
「じゃ、ピも君、頑張るニャ!」
それだけ言うと、ナービィはダークマタ−に向かって飛び降ります。
「え?ちょっ、あっ、ナーービィー!」
≪大丈夫だ、あいつは浮けるから…≫
ドービィはまた上昇し始めていました。
ダークマターの声が聞こえ、レーザーの音が響いています。
でも、その音はどんどん遠ざかっていきます。
「ちょっと、どういうつもりなの!?」
≪いいか、カービィ、たとえ星のかけらが力を与えているとしても、やっぱりその『虹の剣』は不完
全なんだ!完全にするには、この雲をどうにかするしかない!≫
カービィと同じくらい、ドービィの声は慌てているようでした。
「でも、ダークマタ−を倒さなきゃ、雲は…」
≪晴れないんだったら、晴らせばいい!≫
ドービィは開けた空間から、暗黒の雲の中へと入りました。
暗黒の雲の中は、闇そのものでした。
ただ、カービィの持つ虹の剣のみが、光を発しています。
≪いいか、カービィ!虹の剣だったら、雲だって…闇だって斬れるはずだ!
雲を…闇を切り裂け!カービィ!光の道をつくるんだ!!≫
「うん!!」
カービィは、虹の剣を出来るだけまっすぐ、頭上に掲げました。
≪いくぞ!≫
ドービィは、闇の中を弾丸のように飛びました。
カービィが頭上に掲げた虹の剣が通ったあとに、光の線が残ります。
その光の線が膨らんでいき、雲が晴れていきます…
ドービィ達は、雲が晴れ終わらないうちに、下へと向かいます…。
ナービィとダークマタ−はまだ戦って…と言うより、ナービィが攻撃を避け続けていました。
何回か攻撃が当たったらしく、ナービィはぼろぼろでした。
ダークマターが再びビームを発射しようとした時、
一筋の光の線が、ダークマタ−の手前に現れました。
その光は、どんどん膨らんでいきます…。
そして、光とともにドービィが降下してきます。
「ニャッ、ピも君!!うまくやったニャ!?」
「うん、たぶん…」
≪ナービィ!ぼろぼろじゃねーか!早く乗れ!≫
ナービィがドービィに乗り込むのと同時に、虹の剣に光が集まり始めました。
…これが、虹の剣の本来の輝きでしょうか?
今度こそ七色の光はそろい、虹の剣は、まるで透き通るような、光そのものの色に輝き始めます。
「いくぞぉ!ダークマタァー!」
虹の剣は、浮力も取り戻したようです。
カービィはドービィの背中を離れ、虹の剣はダークマタ−へ一直線!
降り注ぐ光に、呆然としていたダークマタ−も我に返り、あの黒くて太いレーザーをカービィに向か
って連射します。
が、光り輝く虹の剣は、レーザーさえも切り裂きました。
カービィは、ダークマタ−に向かい、一直線に進み…
バシュゥ!
すれ違いざまに虹の剣を振りぬきました。
ダークマターから、黒い煙のような物が、次々と噴き出します。
「…ぐ…オノレ…ワ、我ガ…下等生物ゴトキニ…マ、マケルハズガ…ナ…」
「例え下等生物でも、力を合わせればニャ−でも出来るニャ−!」
≪俺は下等生物じゃないけどな!≫
「止めだ!ダークマタァー!!!」
カービィが、いつになくかっこいいセリフを言いながら、再びダークマタ−を真上から切りつけま
す。ダークマタ−は、断末魔を上げながら、黒い煙と化しました。
雲が、不自然なくらいに速く晴れて行きます。
「ニャ〜…終わったニャー…」
≪じゃ、カービィ、お別れだな!≫
「え?何で?」
≪前にも言っただろ?俺らは、あいつ等の親玉を倒さなくちゃいけないんだ。≫
「でも…それにしたって、ぼくの家で休んでから…。」
「これも、前言ったニャ−!もう、あんまり時間がニャーニャー!」
≪っつー訳だからよ、じゃあな!カービィ!≫
それだけ言うと、ドービィは翼をはためかせ、空の彼方に飛んで行きました。
「…終わったんだ…」
カービィは、全身の力が抜けていくのを感じました。
…といっても、よっぽど疲れていたのでしょう。眠ってしまったようです。
あっ、虹の剣を放しちゃった…。
さて、こちらリック達。
「雲が晴れたんだな。」
「カービィ…やったんだな…おい、リック!」
「ん…うん?ふぁぁぁぁ…よく寝たぁ〜…」
「…デデデ、リックを思いっきりハンマーで叩いてくれ。」
「命令口調が気にいらねぇな。だが、面白そうだから許してやるぞ!」
半分寝ぼけていたリックは、デデデ大王のハンマーが迫ってくるのを見て、慌てて逃げ出します。
クーは、そんな様子をやれやれ、といった感じで見た後、空に目を移しました。
「ん?昼間から流れ星か?……んー……!もしかして…カービィか!?」
そう、カービィでした。ただ、流れ星と違い、本当にゆっくりと落ちてきています。
≪おーい!お前ら!≫
ふと、聞き覚えのある声が聞こえました。ドービィ?
≪乗れよ、ベジタブルバレーに降ろしてやる。≫
「ニャー、たぶん、これでもう会えニャーニャー…さみしーニャー…」
「え?」
「どういう事なんだな?」
≪話せば長くなるぞ?まあ、とにかく乗れよ、なるべくゆっくり飛んで、全部話してやるよ!≫
リック達は、急いで乗り込みます。
皆、あの黒雲の中で、どんな戦いがあったのか知りたくてたまらなかったのです。
…カービィが目を覚ましました。
カービィは慌てました。なにしろ、手に持っていたはずの虹の剣が無いのです。
急いでホバリングしようとしました。しかし、それは無用でした。
虹の剣が、さまざまな色の光を撒き散らしながら、ゆっくりと降下していました。
その光に包まれている、カービィもまた…。
カービィは、光の中を泳ぎ、おもむろに虹の剣を手にしました。
「なんて気持ちいいんだろ♪」
カービィは、スピードを上げたり下げたり、くるくる回転したり、ゆっくりと空の旅を楽しみました。
そして、カービィは、雲を切り裂いたあの時のように、今度は空に虹を描きました。
そして、ベジタブルバレーの、虹の島々に1番近い岸に降り立ちます。
カービィが地面に足をつけると同時に、虹の剣は7つの虹の雫に分かれ、虹の島々へと飛んで行
きました。
「カービィー!」
先に着いていたリック達が出迎えます。ドービィ達の姿はありません。
「カービィ!終わったな!」
「あれ?デデデ大王は?」
「ダークキャッスルを直すって言ってたんだな。」
正確には、キャッスルデデデと言うらしいですよ?
「はは…相変わらずだね…。」
「聞いたよ、カービィ!凄い戦いだったんだっ…て。」
「え?だれに?」
「決まってるじゃん!クソトカ………ドービィからだよ。」
「ドービィ達に会ったの!?」
「…もうあえないかもって言ってたな…。」
「でも、きっといつか会えるんだな。」
「…うん!」
リックが、一息ついてから言います。
「よし!今日はカービィの家でパーティやろうよ!」
「お前にしちゃいい考えじゃないか!」
「そうと決まったら、早く行くんだな!」
リック達は走り出します。
「え?え?勝手に決めないでよぉ〜!待ってぇ〜!!」
ベジタブルバレーに、笑い声が響きました。
虹の島々にはいつも通り…いえ、いつも以上にきれいな虹がかかっていました。
そう。冒険の最初に、カービィが期待した通りの、すばらしい虹が…。
…ふぅ、お仕事終了!カービィ達〜待って〜!私もパーティに参加させてください〜!!
【同時刻、ポップスター上空】
≪ナービィ、傷、大丈夫か?≫
「ニャッ、全然平気ニャー!!」
≪よしっ!このまま突っ込むぞ!目指すはダークゾーン!≫
「ニャッ!」
ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ……
『カービィとゆかいな仲間たち』 〜虹の島々編〜 完結
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