エストレーラ学園考古学部

第六話【港町】





―――管理人が明かりが点くものを擦っている間。




所変わって、どこかです(ころころナレーター口調を変えるなヨ)






「何?…失敗した、だと?」

「は……はっ。失敗…いたしました」

「人造人間の中でも一際優秀だと思っていたのだがな…期待し過ぎたか」

「お、お待ち下さい!!今一度…今一度チャンスをお与え下さい!!今度こそ奴らを確実に仕留める作戦を練って実行
し、奴らの息の根を止めて見せます!!!」

総帥は何かを考えるように少し俯いていましたが、思い切ってこう言いました。

「許可しよう。…ただし、失敗すれば後はないと思え。あまり我々の期待を裏切るような真似はしないことだ」

「ありがとうございます!」




グラサン男が総帥に言います。

「優しいではないか?お前にしては」

「…奴を生み出す際に随分と苦労をした…資源も消費した。そう簡単に処分しては貴重な戦力を失うことになる」

「それに、奴は『実験台』なのサ。…ある実験のネ」

「『実験台』…?初耳だぞ、兄者」

「…そうか、言っていなかったか。奴は計画に必要な実験台なのだ」

「だから、何の実験なのかと訊いておるのだ」

「……それは―――」










「?リタロさん、何を擦ってるの?」

「これかい?これはなー、ランプってんだ」

「それは知ってる。何で擦ってるの?」

「お前な、ランプを擦るって言ったら一つしかないだろ?」

「?」

「明かりをつける為さ」

暫くして、ランプの口に小さな火がポワンと音をたてて灯りました。

「魔法のランプさ。絶対に消えない明かりだよ」

「でぇっ!?す、すげぇ…どこで手に入れたんだ?」

「俺の故郷」

いつの間にか暗くなっていた空に星が転々と照り始める下で、一行はランプの明かりを持ったリタロを先頭に歩き始めま
した。

「この森を抜ければ、港町がある筈だ。船に乗っていけば…あー、少し遠回りになるかも知れねェけど…あんたらの目的
地のソーニォに着く」

「なぁんだ。山を幾つも越える必要なんかなかったんだね…ね〜、ルーヴィ君?」

「うるせぇ!!」






とっぷりと日が暮れた頃、一行はアレグの持っていたテントを張って野外一泊することに決めました。

テントの近くで焚き火をしながら、ミトとカービィは話し合っています。他の人達はみんなテントの中で眠ってしまったようで
す。

「…ミト、訊きたいことがあるんだ」

「ん?なぁに?」

「ミトはどうしてルーヴィにやなこと言われても平気で言い返せるの?」

「なぁんだ、そんなコト。…なんで?」

「だってさ、も、もしかしたら…心の中ではそう思ってないかもしれないでしょ?何でそんなに安心出来るのさ?」

「信じてるからだよ。こっちが疑っちゃ、それが相手に伝わっちゃう。それに…友達だもの♪」

「………」

「なんで、そんなこと訊くの?」

「…実は……」






「…………そっか。そんなことがあったのかぁ…」

「不安なんだ。ボク一人助かっちゃって、みんなが僕のコト恨んでないかって」

「大丈夫だよ。友達が助かれば、誰だって「ああよかった」って思うよ。…恨みなんかしないって」

「……うん……――?何か来る……?」

「え?」

カービィがミトの前に探る様に歩み出ると、周辺の森から風もないのに木の葉の擦れる音がしました。空気がピンと張り
詰めたのが、鈍いミトにも感じられます。

「ミト、下がってて。なんか…危ない」

カービィが呟くのとほぼ同時でした――暗闇の中から、一人の男が現れたのは。

「…誰?」

カービィが訊くと、男は静かに口を開けました。その整った口から発せられた言葉は、カービィが夢にも思わなかった言葉
だったのです――




「仇敵の顔を見忘れたか?カービィよ…私の名はゼロ。虚無生命体」









…闇がついに姿を現した。

光と闇が交差する時、そこに発生するものはなんなのか。


彼の疑問は、果たして真実なのか。

彼の信じているものは、ただの薄っぺらい架空のものなのか。









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★星影流用語辞典


人造人間の中でも…ってことはなにかね。他にもまだいるってコトかね。…ええッ?

魔法のランプ…擦ったって別に青い陽気な魔神が出て来るわけじゃありませんよ。

ゼロ…やっと『総帥らしき人物』なんて書かずに済むよ…ふっふっふ。遂に出た黒幕。早くないか?



今回やけに短かったです。



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