『カービィとゆかいな仲間たち』
第10話〜アイスバーグ、優しき氷の竜〜
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前回、スイートスタッフとのバトルを終え、アイスバーグに着いたカービィ達。
どうやら、もう虹の雫の近くに来ているようです。(早っ)
「うわー…水の中に入るの…?」
「平気だって、こんなもん!オイラに任せとけ…」
そういってリックは水の中に跳び込みます。
バシャーン…
「ほら、ぜんぜん……冷たーっ!!」
リックは天井まで跳び上がりました。そのまま天井に頭をぶつけ、落っこちて来ます。
「痛い…」
「バカかお前は…」
「どーしよー…」
なんていったって、ここはアイスバーグ。水の上には、氷まで浮いています。
と、カインが呟きました。
「…温めればいいんだな…」
「それだぁ!じゃあ、さっそく…『ハムスターファイヤー』!!」
リックは、いつの間にかコピーしていたバーニングで、水を温め始めました。
水に浮いていた氷が溶け始めます。
水が完全にお湯になったと思い、カービィが言いました。
「そろそろよさそうかな…じゃあぼく行って来る!」
カービィが水…もといお湯に跳びこみま…
「あっっつーい!!!!」
カービィは、さっきのリックのように天井に頭をぶつけてから落ちてきました。
よく見てみると、すでにお湯…だった物は、ぼこぼこと沸騰を始めていました。
…すでに熱湯を通り越して、水蒸気になり始めています。
「リック!ストップ!ストップなんだなぁ!」
「え?どうして…」
「このバカたれがぁぁぁ!!」
しばらくして、今度こそお風呂ぐらいの温度になったのを確認してから、
カービィとカインが潜って行きます。あれ?何でカインも一緒なんですか?
「あっ、今度も熱かったり冷たかったりしたら、カインの口の中に入ろうかなーって…」
「オッ、オラを身代わりにするつもりだったんだな!?」
「まあ、そういうことになるかなぁ…」
カインは『酷いんだなぁぁ!』と叫びながら下へと潜って行きます。
ブロックで塞がれてるとこまで潜って、カービィがカインの口から出てきます。
ゲームでは難しい所ですが、合体自由の小説世界ではとても簡単に虹の雫のある部屋までたどり着きました。
虹の雫のある部屋では、ラッキーな事が待ってました。氷のブロックが溶けた後があったのです。
どうやら、さっきリックが周りを沸騰させたおかげでブロックが溶けていたようです。
カービィは虹の雫を取ると、さっさとその部屋を後にし、陸に上がりました。
「さて…ここにはあの黒い影も居ないようだし…次の島行きますか!」
リックがそう言います。虹の雫は、リックの手の中で黄緑色に輝いています。
カービィ達が次の島へ行こうとワープスターの所へ戻ると、ワープスターに異変が起こっていました。
ワープスターの色が、いつもの健康そうな(?)黄色から、橙色っぽくなっています。
「どーしたの!?ねぇ!」
カービィが慌てて近寄ります。カービィがワープスターに触れると、カービィの顔が驚きにそまります。
その後カービィは、しきりに『大丈夫?』と声をかけています。
リック達はその様子を見ていましたが、何が起っているのかさっぱり解りません。
やがてカービィがリック達の所へ戻ってきました。
「いったいどうしたんだ?カービィ…」
「うん…ワープスターね…風邪ひいちゃったんだって…」
「「「風邪ぇ!?」」」
「ちょ、ちょっと待て、ワープスターって風邪ひくのか!?」
「あたりまえじゃん!ワープスターも星の子だよ?」
[星の子とは…地球では人類の子供の事を『地球の子』とか言ったりしますよね?
(言わない?)あれといっしょです。
この宇宙に生まれた者達全ての事を、ポップスターの人達(?)は星の子と呼ぶのです。
そこのあなたも星の子です。]
さて、カービィの話によると、
ワープスターは『風邪をひいてしまったのでしばらく飛べません』と言ったそうです。
「なんでそんな事言ったって解るのさぁ?」
「ぼくは、ワープスターに触ってるときだけ、ワープスターと話ができるんだよ♪」
「ほー…だがそれなら、これからどうするんだ?
ワープスターの風邪が治るまでここに居なきゃいけないんだろ?」
「問題はそれだよねー…」
「それなんだなぁ…」
カービィ達が悩んでいると、だんだん辺りが暗くなってきました。
と言っても、黒い影が来たのではなく、やって来たのは吹雪でした。
ごおぉおおぉぉおおおお…
ものすごい唸りを上げて、吹雪はカービィ達を呑み込もうとします。
「あれぇ!?ワ、ワープスターは!?」
カービィが叫びます。ワープスターは忽然と消えていたのでした。
「ちっ…カービィ!とりあえず近くに洞穴がないか探せぇ!」
「でっ、でもワープスターが…」
「とりあえずは俺達が避難する事が先だ!」
と、カインが何処からか大声で叫んでいます。
「カー…こっちなん…な…こっ…に…洞窟…あ……んだな…!」
吹雪でよく聞こえませんでしたが、カインが『洞窟』と言ったのと、
リックが必死に吐き続けているバーニングの炎だけは、はっきりとしていました。
カービィ達は、その炎を目指して歩いて行きました…。
ごぉぉぉおおおぉぉおおぉ…
「クー…寒いよぉ…」
「俺に言うな…」
洞窟に着いたカービィ達は、焚き火(リックが火を点けてくれた)の周りに集まっています。
ごぉおぉぉおおおお…
外の吹雪は止みそうにありません。
「オオオオイラ、冬眠、しししししてもいいかな…?」
「寝たら死ぬんだな。」
カインはきっぱりと言います。カインは普段水の中に居る為、少しは寒さに強いようです。
反対に、年中、過ごしやすい気温のグラスランドに住んでいたリックは、今にも凍りつきそうです。
そのとき…
キュオオオオォォン…
何もないはずの、洞窟の奥の壁から妙な音が聞こえました。
いえ、正確には聞こえたかもしれませんと言った方が正しいでしょうか…。
「…何言ってるのぉ…?ナレーションさん…」
「いや、俺にも聞こえたぞ…」
キュオオオオ!
バコーン!!
奥の壁が大きな音をたてて崩れ落ちます。
壁の奥に居たのは、丸っこく、愛らしい顔をした…竜?
「だ、だれ?ぼくの家に…何の用?」
可愛く、それでいてよく通る声は、洞窟の中に響き渡ります。
「ア、アイスドラゴンなんだなぁ…」
「え?会った奴を氷づけにするっていう…あの?」
リック達の会話を聞いたアイスドラゴンは寂しそうな顔をします。
そのような周りの状態に全く気付いてないカービィは、
アイスドラゴンの住処を覗き、アイスドラゴンに話し掛けます。
「うわぁ…暖かそう…入ってもいい?」
「え?う、うん。いいよ…。」
カービィはそう言われるや否や、さっさと上がり込みます。
どうやら見た目通り暖かかったみたいで、カービィはリック達に手招きします。
リック達も恐る恐る中に入って来ました。
と、見覚えのあるものが有りました。…ワープスター。
「ね、ねぇ!それをどこで?」
「あ、ああ、それ?それはね…」
アイスドラゴンの話によると、吹雪が来たのを見て、
家(洞窟)の中に雪が入らないようにと入り口を塞ぎ始めた頃、
ちょうどここに飛ばされて来たので拾っておいたそうです。
カービィは急いでワープスターに触り、会話します。
どうやら風邪は、悪化していないようでした。カービィはホッとしています。
「あ、あのさぁ…君達は…どうしてここに?それに…そこの丸い子…ぼくの事…怖がらないの?」
「カービィは誰とでも仲良くしようとするんだな。」
「それと、俺達がここに居る理由だが…」
クーは、今までの事をアイスドラゴンに話しました。
もちろん、ワープスターが風邪をひいてしばらくアイスバーグに居なければいけない事も…
「へぇ…大変なんだ…じゃあ、ぼくの家に泊まってってよ。ここなら、暖かいし…」
「ねぇ、『アイスドラゴン』なのに、なんで暖かい部屋に住んでるんだ?」
「ぼくは、皆と一緒だよ…熱い寒いの感じ方も…生活も…。
なのに、皆、ぼくに会うと逃げちゃうんだ…。ぼく…ぼく何もしないのに…」
アイスドラゴンの目に涙が浮かびます。
クーがリックに注意します。
そんなアイスドラゴンにカービィが話し掛けます。
「ねぇ、名前は?」
「え?アイスドラ…」
「そうじゃなくて、本当の名前だよ。」
「本当の名前…?アスラン…アスランって言うんだ。
君達が初めてだよ…ぼくの名前聞いてくれたのは…」
「へぇー…アスランかぁいい名前だね…あっ言い忘れてたね、ぼくはカービィ!
あっちがリックに…クーに…カイン!これでぼくたち友達だね♪」
「友…達?ぼくと?ほんとに?」
「やだなぁ!ぼくは嘘つかないよぉ…」
キュオオオオォン!!
アイスドラゴン…いいえ、アスランは涙を流しました。嬉しさのあまり、咆哮を上げながら…。

それからカービィ達はワープスターの風邪が治るまでの毎日をアスランと過ごしました。
ワープスターの看病(と言ってもカービィが通訳をして、温めたり、冷ましたりするだけでしたが)
をしたり、一緒に遊んだり…。
楽しいお喋りに華を咲かせ、アイスバーグに伝わる伝説や、吹雪の越し方をアスランに教わったり、
その替わりに、ベジタブルバレーや、ビックフォレストなどの思い出話を皆で話して大笑いしたりしました。
ワープスターの風邪が治りかけた頃、こんな話もしました。
「ああ…ぼく、友達が出来たの…初めてだ…」
「じゃあ、オイラ達が初めての友達だね!」
「ずぅっと友達なんだな!」
「ワープスターの風邪が治って、次の島へ行っても、また会いに来るからな!」
「ぼく達の事、忘れないでね!」
「うん…絶対…絶対忘れないよ…」
カービィ達は気付いていませんでした。
そのとき虹の雫の、黄緑色の光が消えていた事、空に、いつまでもある黒い雲があった事…。
そして…とても悲しい出来事が待っている事に…
…もうアスランと…二度と……。

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挿絵提供、ハムの星さん