『カービィとゆかいな仲間たち』
第16話〜ダークキャッスル、VSデデデ大王?〜
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前回、クラウディパークの天辺で、
グーイと黒い影の会話、ドービィ達の登場など、いろいろな事がありました。
そして今、カービィ達は『ダークキャッスル』、最後の島の、最後の砦の中にいます。
ただ…。
「やっぱり、おかしいよねぇ…?」
「そうだな…静かすぎる…。」
そう、各扉を守っている中ボスどころか、ザコの一匹、シャッツオの1台も無いのです。
「楽だけど…なんかねぇ?」
「気味悪いんだな。」
カービィ達は、そんな会話をしながらも、ずんずんと進んでいきます。
そして、あっという間に最上階(屋上)への扉の前に着いてしまいました。
「…第3話並みの展開の早さだね…。」
「結局、トラップは1つも無かったな…。」
「狭い通路さえなかったよね…。」
「この城は、もう必要無さそうな感じなんだな。」
「まあいいや…行くよ?」
カービィが最上階(屋上)の扉に手をかけます。
ぎぎぃぃぃ…
音をたてて扉が開きます。
屋上の空には、どんよりとした黒い雲。
そして、屋上の、反対側の入口の方に佇んでいるのは…デデデ大王。
デデデ大王はゆっくりと振り向き、何も言わずに屋上の中央に歩み出ます。
「…貴様等は誰だ?…今、ここに来るとは…愚かな生き物だ…。」
静かな、重い口調です。
「…ダークマタ―…。」
「…ほぅ…よく知っている…ただの、無知な下等生物とは違うようだ…。」
なにやらリックが、プルプルと震えています。
「下等生物…ネ…ネズ…。」
「リック、落ち着け。今はそういう場面じゃない。」
クー達を半分無視しながら、カービィがデデデ大王に近づきます。
と、1体の黒い影がデデデ大王に入り込みます。
すると、デデデ…いえ、ダークマタ―は再び口を開きます。
「…貴様が…カービィ…我の邪魔をする者か…。」
デデデ大王から、大量の黒い影が出て行きます。
それは上空で、1つの黒い球になりました。
と、グーイがふわふわと飛び、黒い球の横に並びます。
〔どこに行く気だ?虹の島々侵略隊長、ダークマタ―α(アルファ)。〕
前回説明した通り、グーイのセリフは〔この〕かっこで、
カービィ達には「ぐ〜い。」と言うようにしか聞こえません。
「…これは、これは…あの方の第一の部下と言われた…グーイ様ではないですか…。」
ダークマターは、いやみな言い方で続けます。
「…あれらのような下等生物と…何を遊んで居られるのです?…」
〔どこに行く気だと訊いている!〕
「…そのうち解ります…。」
シュン!
ダークマターは消え去ります。
それと同時に、グーイが屋上の外の方…城の入口の方へ下りて行くのが見えました。
「グーイって…いったい…?」
「カービィ!見ろ!」
なんと、ダークマターが消えたというのに、デデデ大王は操られたままです。
さっき、入り込んだ黒い影のせいでしょうか?
「カービィ、とりあえず、デデデをやっつけときなよ。後回しにすると厄介だよ?」
「リック…何気に酷い事を言うんだな。」
「元からそうするつもりだよぉ〜!」
カービィが笑いながら言います。カービィもかなり酷いです。
カービィはデデデ大王の方へ進み出ます。
デデデ大王も、無言のまま進み出ます。
戦いの開始は、デデデ大王が振り下ろしたハンマーが、屋上の床を打つ音でした。
カービィはうまくハンマーを避け、ハンマーが床を打ちつけた際に発生した星をすいこみ、
攻撃を返します。
しばらくの時がたち、カービィもデデデ大王も、お互いかなりのダメージを受けていました。
リック達は、その様子をじっ…と見ていました。
カービィとデデデ大王は、古くから(?)のライバルです。
いくら、デデデ大王が操られているとはいえ、その間には、不思議な何かが漂っています。
他者を入り込ませない、何かが。
と、今、カービィの攻撃がデデデ大王に当たりました。
ぼしゅん!
すごい音をたてて、デデデ大王の頭から煙(?)が噴き出しました。
本気を出そうとして膨張した黒い影が、溢れ出たようです。
ずがんっっ!!
ハンマーの威力はとてつもない物になっていました。
床に穴があき、階下が見えています。
ずがん!ずがんっ!!
デデデ大王の攻撃は続き、屋上は穴だらけになりました。
みしっ…
「カービィ!飛べ!床がもう…!」
クーの声を受け、カービィは空中へと飛び上がります。
その瞬間、床が音をたてて崩れ落ちました。
リック達は、入口のところに居たので落ちずにすみましたが、
デデデ大王は下の階へと落ちていきました。
黒い影が下から上がって行きます。
カービィは、リック達が居る入口の方へ戻りました。
「カービィ!すごかったよ!」
「オラ、こんなすごい戦い見たこと無いんだな。」
「えへへ…それほどでも…。」
照れるカービィを横目に、クーは空を見上げます。
「それにしても…奴は…ダークマターはどこへ…。」
と、目の前にドラゴン状態のドービィが現れました。
背中には、獣人モードのナービィと、グーイ。
「さ、グー君。ここで降りるニャ〜!」
「ぐ!?ぐ〜!ぐ〜い!」
≪気持ちは解るが…余計な奴を連れて行けないんだ…≫
「ぐ〜…ぐっ!ぐ〜い!」
ドービィが頭を下げ、それを掛け橋のようにして、グーイはカービィ達の方へ移ります。
「さ、ピも君!乗るニャ〜!!」
「え?ぼく?」
カービィは、なんのためらいも無く、ドービィの背中に乗ります。
続いてリック達…が、
「ダメニャ〜!ラン君達は、乗らないでほしいニャ〜!!」
「えっ!?何でだよ!」
≪だから、余計な奴は連れて行けないって言ってるだろうが、ネズ公!≫
「だったら理由を説明しろよ、クソトカゲ!」
≪あんだと!?偉そうな口きいてんじゃねーよ!!時間がねーんだよ!!≫
「ニャ〜、ドービィ、落ち着くニャ〜!!」
ナービィが一呼吸おいて、いいます。
「ニャッ、ダークマターが、向かったのは、過去の世界ニャ〜!」
「「「「過去の世界!?」」」」
「ニャ〜…たぶんニャけど…。」
カービィ達が全員こけます。
「た、たぶんってなぁ…。」
「で、でも、グー君から聞いたはニャしからすると、そうニャるニャー!」
≪で、あんまり大人数で行くと、いろいろとやばいってことだ。≫
「過去に、だなんて、どうやって行くんだな?」
「ニャ、ドービィが行けるニャ〜。」
カービィ達は驚愕の顔です。
そんなカービィ達を見たナービィは、なにやら誇らしげです。
「…まあ、深い追求はしないでおこう…で、なぜカービィを?」
「ニャ〜、ピも君がいニャいと…うちらはあの事件には詳しくニャーニャー!」
「あの事件?」
≪前にあっただろ?食べ物強奪事件…。≫
「あっ、あれかぁ!」
カービィはポンと手を合わせます。
「あっ!見てよ!デデデが…っ!」
リックが叫んだので、カービィ達が慌てて下を見ます。
デデデ大王が、なにやら半透明に見えます。
そして…カービィも。
それに気付いたナービィが、慌てて叫びます。
「ニャ!急ぐニャア!ドービィ!時間がニャーニャー!!」
≪おう!しっかりつかまってろよっ!≫
ドービィが力強く翼をはためかせます。
すごい勢いで上空へと飛び、さらに勢いをつけて急降下します。
そして…
「き、消えた…。」
「すごいんだな…。」
「過去へ…か…。」

キュウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ…
「うわぁ…。」
ドービィの背中で、カービィが思わず声をもらしました。
ドービィの周囲には、カービィが今まで見て来たいろんなところや、
まったく見たことの無いような風景が、渦を巻きながら見えています。
「ニャ、ここが、時空間ニャ。」
「へぇー…でも、どうして、ダークマターは過去に?どうやって行ったの?」
「ニャー…話せば長くニャるから、今必要ニャ事だけ言うニャ〜…。」
ナービィは、今までに無い深刻な表情です。
「あのダークマターは、あいつらのボスが、『ある事』をする為の時間稼ぎにすぎニャいのニャ…。」
「ある事って?」
「ニャ、ピも君には関係ニャいニャ。あいつらのボスが『ある事』の準備を進めている間、他の事に
ポップスターの住民の目を向けさせるのが、あいつの使命ニャ…。
でも、ピも君がその事を邪魔したニャ。まだ準備が出来ていないのに、この事件を終わらす訳には
以下ニャい。だから、あいつは過去に行って、昔のピも君を倒すつもりニャ。
まだ、未熟ニャピも君を…。」
「え…。」
カービィが絶句します。
そんな大変な事だったなんて。カービィは俯きます。
ナービィは、まだ続けます。
「ニャ、あいつは過去に行って、ピも君を倒すだけじゃなく、プププランドを滅ぼすかも知れニャいニ
ャ。 どうせ、あいつらのボスも…。」
≪ナービィ!≫
飛ぶのに必死で、今まで黙っていたドービィが叫びます。
今までの経験から、ナービィが核心に迫った事をうっかり言いそうになるとドービィが叫ぶのは解
っています。
カービィは、はっ、と顔を上げ、訊きます。
「どうせ、って、どういう事?」
「……ニャー…ドービィ…?」
≪ちっ!もういい、言ってもいいが…喋りすぎるなよ。…あと、話し掛けるな。≫
ドービィは、また、必死にスピードを上げます。
ナービィは、再び話し出します。
「ニャ、やつらは、時を変えるつもりニャ〜。」
「時を変える!?」
「ニャ、本来そういう事は出来ニャいニャ『ポップスターの四神獣』がゆるさニャいニャ!」
「ポップスターの四神獣?」
なんだろう、と思いながらも、カービィは黙っていました。
「ニャ〜、で、四神獣をまとめているのが、『王竜のホワン』ニャ、ホワンはとても強いニャ、
でも、四神獣の力を全て合わせれば…。」
「って、事は…その四神獣って言うのが、あぶないの?」
「ニャ、だから、うちらが来たニャ、それを守る為に。
だけどピも君が、虹の島々へ来た事で、また、何かが狂ったニャ〜。」
「え?じ、じゃあ、ぼく達が…?」
「ニャ、そんニャニ気にしニャくていいニャ。ダークマターは、ピも君達を追い出そうとしたニャ、
その結果、1ついやニャ事が起こっただけニャ。」
カービィには思い当たる事がありました。
「まさか…!」
「ニャ…アス君ニャ…。」
アスラン。カービィの脳裏に、あの日の事が鮮明に思い出されます。
「そんな…ぼく達が…ぼく達のせいでアスランが?嘘でしょ!?」
「ニャ、出来れば信じてほしいニャ…。」
カービィは激しく首(?)を横にふり、黙ってしまいました。
と、周りの様子が変わりました。真っ青な空間になったのです。
≪…そろそろ時空間を抜ける…しっかり…つかまってろよ…≫
ドービィの声は疲れきっていました。
キュウウゥゥゥゥゥ…
不意に辺りが明るくなりました。
ドービィはなんとか着陸し、球形に戻ります。
そこからは、とある場所が見えました。
そこは…グリーングリーンズの森の近くの…カービィが始めて立ち寄ったあの場所…。

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第17話〜過去の世界、過去の真相〜


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