『カービィとゆかいな仲間たち』
第7話〜リップルフィールド、グリーン小父さんとカイン〜
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前回、ヌラフ達との戦いを終えたカービィたち。
橙の虹の雫と二つ目の星のかけらを手に入れて、
今はここ、リップルフィールドの海とにらめっこしています。
「…早く決めてよぉ!」
もとい、にらめっこしているのはリックとクーです。カービィはすでに海にぷかぷか浮いています。
「クー、行ってよ。オイラ、ハムスターなんだから…」
「ハムスターは一応泳げるだろ…俺はフクロウだぞ!フクロウ!」
なんと、普段、絶対に自分の事を『フクロウ』と言わないクーが、自分を『フクロウ』と言っています。
リックも必死で、クーに訴えかけています。
理由は簡単です。二人とも水が苦手なんです。
リックはハムスターです。一応泳げるものの、水は苦手なのです。
ハムスターを飼った事のある人は知っているでしょう。水面ならまだいいとして、水中なんて…。
一方、クーはと言えば、鳥です。フクロウです。
普通森の中でくらしているフクロウに、水中に潜れと言うのは無理な話です。
まあ、クーは一応潜れますが、羽が濡れてしまうのでしばらくは飛べなくなります。
クーはそれが嫌なのです。
「もう、どーでもいいや。リック、クー、こっちむいてぇ〜」
リックとクーは、カービィの言葉なんてちっとも聞いてません。
「おーい…いいや、勝手に決めちゃえ!えーと、だ・れ・に・し・よ・う・か・な…」
カービィは、あのどうしても迷った時の必殺技を使う事にしたようです。
みなさんも一度は聞いたりやったりした事があるでしょう。いろんなバージョンがあったりするんですよね。
嫌なのがあたったらわざと長くしたりして…あっ、そろそろ決まるみたいです。
「む・け・た・か・な・・・な・の・な・の・な!はい決定!リック、来てぇ〜」
今まで言い争いしていたリックとクーが、カービィのほうを向きます。
リックは驚いた様子で、クーは明るい表情でカービィの方を向きましたが、
クーの方はすぐに表情を変えます。どうやら、すごくうれしいのを隠しているようです。
「ほら、リック。カービィが呼んでるぞ。」
「…ねぇ、一緒に行こうよクー。」
「さっき、『出番が減るから、できればカービィと行きたいんだよ!』とか叫んでたのは誰だっけ?」
「い、いや、あれは、その…」
「ほらほら、リック!行くよ〜!」
カービィがそう言って潜ります。
リックはしぶしぶ、カービィに続いて潜ってゆきました。
「…でも、あいつらじゃあカインも苦労するだろうなあ…」
クーが呟きます。
と、その様子を空から見ている奴らがいます。
カービィと同じ体形が2体。
しかし、片方には猫のようなしっぽと耳が、
片方にはドラゴンの物を短くしたような角や、羽、しっぽが生えています。
これより名前がわかるまで猫のような方を『猫耳』、ドラゴンのような方を、『ドラ』と呼びましょう。
ドラのほうは、羽をパタパタと動かしながら浮いているのに対し、
猫耳の方は普通に地面に立っているかのように、浮いています。ただ者じゃありませんね。
「…ニャ〜、やっと、先に進んだニャ〜。」
「おい、こんな時に勝手に出番作っちゃいけないだろーが!
俺たちが正式に出てくんのは第8話だって言われてんだろ!」
猫耳の方はクーに気付きます。
「ニャッ!?一人残ってるニャ!」
「もうすぐ出れるんだから、今回は…」
「んー…ちょっとインタビューしてくるニャ〜!」
「あっ!人の話を聞けよ!おい!」
そう言って猫耳の方は、クーに向かって一直線におりて行きます。
ドラは、呆れつつも猫耳について行きました。
一方、海に潜っていったカービィとリックはというと…
「うわぁ!また海星だよ!」
「ねえ、上のセリフの文字なんて読むの?ウミボシ?ねぇ、リックぅ〜!」
「ヒトデだよ、ヒトデ!それにしても、あまりにも多すぎるなあ…海星…」
さすがのカービィも海星だらけの海に異変を感じているようです。
しかし、もう少し深い所へ行くとさらに酷い事になっていました。
めちゃくちゃなのです。深海魚やもっと浅い所にいるはずの魚が入り混じり、
さらには、暗くなっているはずの深い深い海の底から光が洩れています。
「どーなってんだ?これ…」
「あ、リックぅ〜!あそこの岩の割れ目!上の方!」
カービィが指(?)をさす先には、『カインの家』という表札がありました。
「よぉ〜し!カインに聞けば何かわかるかも!」
「いこう!リック!」
そう言ってカービィは、カインの家に向かってすごいスピードで泳いで行きます。
どうやら早く休みたいようです。
リックも必死に泳ぎ、なんとかカービィについて行きます。
カービィ達は岩の割れ目を通り、水の無い部屋に着きました。
どうやら、居間のようです。カインの家の居間は、客室でもあるので水はありません。
もちろん寝室は水の中ですが…。
さて、居間にあがりこんだカービィ達の目に入ったものは、カインと…水母?
「ねぇ、ナレーションさん!水母ってなんて読むの?ミズハハ?」
「スイボ、じゃないのかぁ?カービィ…」
…『クラゲ』です。『ジェリーフィッシュ』です。
「へぇー『クラゲ』は『水母』って書くんだぁ…ナレーションさん物知りぃ〜」
『海月』とも書くんですよ……本編に戻ります。
どうやら、今の会話でカイン達…正確には、水母がカービィ達に気付いたようです。
「ん?誰だね君達は…まさか!」
水母は、すごい勢いでカービィ達に近づきます。
「たしかにこの海の者じゃない…さては君達だな!」
「え?なにが?」
「君達だろう!この海をめちゃくちゃにしたのは!」
カービィ達は顔を見合わせます。
「ちょっ!ねぇ、まって…」
「問答無用!」
水母は手(触手)の先っぽに電気を溜め、カービィ達に向けて飛ばします。
どうやら、電気水母のようです。カービィ達は、かろうじて電撃を避けます。
水母が次の攻撃の為に電気を溜めていると、後ろの方から不意に声がしました。
「ん。ちょっとまってほしいんだな。」
カインです。
「なんだね、カイン君?」
「その人達はオラの友達なんだな。」
「…そうだったのかね?それを早く言ってくれ。」
そういって、水母は溜めを止めます。
どうやら、カインと水母は知り合いのようです。それに、まだ操られていない様です。
カービィ達は、水母が敵じゃないと知ると、事情を説明しました。
「ふむ。という事は、その黒い影とやらが今回の事件に関係している、という訳だね?」
「はい!絶対オイラ達はそんな事しません!」
どうやら、リックは言い逃れがしたかっただけのようです。
カービィはカインと話しています。
「ふ〜ん、あの水母さん近所の小父さんなんだ…」
「ん、名前は『マスターグリーン』って言うんだな!」
自分の名前が出たからでしょうか、マスターグリーンがカービィ達の方へ来ます。
リックも話に入ってきます。
「マスターグリーン?マスターも名前?変なのぉ〜!」
「ん。だから普段はグリーン小父さんって呼んでるんだな。」
リックの『変な名前』発言にマスターグリーンが口を出します。
「実は、私も『マスターグリーン』は変だと思ってな。こんなのを考えて見た。」
マスターグリーンが名刺のような物を出します。
カービィ達が、名刺のような物を覗きこむと、『Mr・グリーン』と書いてありました。
「…この英語なんて読むのぉ?」
「…『ミスター』なんだな。」
「…グリーン先生?」
中学校1年の英語の教科書にいましたね。でも、あれは『Ms・グリーン』です。女です。
「ナ、ナレーションまで…そんなにこの名前はいかんのか?うむぅ…」
マスターグリーンは考え込んでしまいました。
カービィは慌てて話を戻します。
「ね、ねえ、今回の事件って、具体的にはどんな事なの?」
マスターグリーンは顔を上げ、ゆっくりと話しだしました。
「まずは、ティンセルが浅い海…つまり、君達が潜ってきたあたりだな。
あの辺に大量発生した事から始まった…」
「ちょっとまって!ティンセルって?」
「ああ、君達も見ただろう?あの海星達だよ。
そのせいで、浅い海に住んでいた者達はこの辺まで追いやられてしまった…」
カービィ達はあの事についても聞いてみる事にしました。
「じゃあ、あのいかにもって感じの深海魚はどうしてこの辺に?」
「あの、深いところから洩れていた光はいったい?」
マスターグリーンは首(?)を横に振ります。
「それがわからんのだ…あの光のせいで暗い所を好む深海魚達が逃げてきたのだが…
あの光の正体がわからん!この海には、あんな強い光を勝手に出す者は居らん!」
マスターグリーンは後ろを向きます。そして、静かに、呟くように言いました。
「……しかし…君達じゃないのなら…この海の者が…いくら、操られているとはいえ…」
「マスターグリーンさん…」
マスターグリーンは再びカービィ達の方を向き、カービィの両肩(ほぼ頭)に手(触手)を置きます。
「カービィといったな…頼む!深海の光の正体を突きとめてくれ!
その光が何なのか解ればティンセル達が、なぜ大量発生したのかも解る筈だ!」
カービィは、いつに無くシリアスな雰囲気に戸惑いながらも、
リック達が頷くのを横目で見てしっかりとした口調で答えました。
「わかった!ぼく、確かめてくるよ!光と海星の謎!」
カービィは、自分が言ったセリフに感動したのか、そのままの状態で硬直しています。
マスターグリーンも、その前のセリフをかまずに言えたのに感動し、カービィと同じ状態です。
「あーあ、どうしよう。固まってるよ…」
「これじゃあ、話がすすまないんだな。」
私がクーの代わりにつっこんでおきましょう。
あんたたちはNG出しすぎてほぼ徹夜状態になった時に、やっとOKもらった芸能人かい!
…どうでしょう?
「う〜ん…ちょっと長いなぁ。解りにくいし…クーならもっとうまくつっこむ筈だよ。」
いつのまにか、カービィの硬直が解けていました。
リック達は、硬直が解けたばかりのマスターグリーンに別れを告げ、一旦クーのところに戻る事にしました。
リック達は、クーのところに着きました。
クーは呆然としていました。そしてリック達も…
なぜなら、飛び去って行くトカゲのようなものが見えたからです。
巨大な羽を動かし、みるみるうちに遠ざかって行きます。
「クー…あのトカゲは…」
「ドラゴンだ…あいつ等はいったい…」
「ドラゴン?あいつ等??」
「ああ…たしか、ドービィとか言う奴と…」
クーは、はっとします。
「そうか!○○だ!」
「「「へ?」」」
読者の皆さんへ。
○○の内容は次回へと持越しです。
すみません。ナレーションの仕事なんです。責めないでください…
お願いします…お願いしますってば!

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