『カービィとゆかいな仲間たち』 第8話〜リップルフィールド、そのころクーは…〜 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― さて、前回はカービィ達の行動を追いましたが、 今回は時間を遡って、クーの方を見てみましょう。 今はちょっと前… 「い、いや、あれは、その…」 「ほらほら、リック!行くよ〜!」 カービィがそう言って潜ります。 リックはしぶしぶ、カービィに続いて潜ってゆきました。 「…でも、あいつらじゃあカインも苦労するだろうなあ…」 クーは呟いた後に、自分に向かって飛んでくる物体に気付きました。 あの黒い影かと思い、身構えたクーですが目の前にいたのは、 カービィに似た体形の『猫耳』でした。(前回参照) 「…だれだ?」 「ニャー、インタビューに来ましたニャ〜!」 「インタビュー?」 と、空からもう一つの物体が降りてきます。…『ドラ』です。(前回参照その2) 「おい、いきなりそんなこと言ったって怪しまれるだけだぞ!」 クーには、目の前の二人が誰なのかはもちろん、何が起こっているのかさえ解りません。 ドラの方は、クーの方を向き自己紹介を始めました。 「俺は『ドービィ』。絶対ドラ焼きカービィじゃ無いからなっ!」 「じゃあ、ドーナツカービィニャのニャ〜!」 と、ドービィが猫耳の方を思いっきりどつきます。 「ニャ―!いたーニャー!」 「お前…それを言うなって何回言ったら解るんだ!」 クーは、目の前で漫才を始めた奴らに切れる寸前です。 そんな様子に気付きもしない猫耳の方は、自分の自己紹介を始めます。 「ニャ、うちのニャまえは『ナービィ』ニャ〜!」 「ナービィ?どこかで聞いたような…」 クーは、その名前を何処で聞いたか思い出せない様子です。 ナービィの言葉はまだ続いています。 「〜というわけニャ!よろしくニャ、スカ君!」 治まったかに見えたクーの怒りが、今度こそ爆発します。 「おい!スカ君ってなんだ!俺が『スカ』って事か!?」 「ちがーニャ!スカ君の本名を英語にしたら解るニャ〜!」 「おい!こいつには真剣に相手しない方がいいぞ!クー!」 クーは自分の名前を呼ばれ、ドービィの方を向きます。 ナービィは、話し相手をドービィに取られてしまったのでつまらなそうです。 「なぜ、俺の名前を知ってるんだ?」 「それはまだ言えないんだよなぁ、これが…」 クーは、ドービィのからかうような態度に苛立ちを覚えます。 「ナービィ!インタビュー始めていいぞ!」 いままで砂いじりをしていたナービィは慌てて顔を上げ、うれしそうにクーに近づきます。 「ニャ、スカ君!こニョ世界に起こっていることは把握してるかニャ?」 「起こっていることって、虹が消えた事か?」 「それだけかニャ?」 ナービィはまるで、何が起こっているかを知っているかのようにクーに聞きます。 まあ、知っているらしいのですが…。 「それだけって…他に何かあるのか?」 「ん〜しらニャ―のニャらいいニャ〜!」 ナービィは、読みにくいセリフを言いながら、猫のようにしっぽをゆっくりと振っています。 「んじゃ、次のインタビューニャ〜!」 「ナービィ!そういうのは質問って言うんだ!」 ドービィがすかさずつっこみます。ちょっとクーと被ってます。 「ニャ、虹の雫を隠したのは誰か知ってるかニャ?」 「いや、まだ詳しい事は…」 クーはカービィに『デデデ大王がやったんだって』と聞いていましたが、 なぜか小さな違和感があったので、はっきりとは答えられませんでした。 ナービィは一瞬表情を変えます。すこし笑ったように見えました。 「はい、OKニャ!じゃ、最後ニョインタビューニャ!」 ナービィはなぜか一歩下がります。 「スカ君!自分は強いと思うかニャ?」 「自分…俺がか?」 「ニャ、もちニャ!」 クーはしばらく考えてから答えます。(ちなみに解ってると思いますが、『もち=もちろん』です) 「さあな…カービィもそれなりに強いし…よく解らないな。」 「わからニャいニャ?」 そんな様子を見ていたドービィが呟きます。 「そろそろ始まるな…ナービィの最終質問…」 ドービィは近くにあったヤシの木に飛び上がり(文字通り羽で)、下を見下ろします。 「クーだけなのが残念だなぁ、なんかつまんないかも…」 さて、下ではナービィが最終質問とやらを始めようとしているようです。 「わからニャいニャら試してやるニャ〜!」 「へ?」 次の瞬間、ナービィは全然違う姿になっていました。 体形は球形じゃなく、クーの1.5倍位の身長になっていました。 猫をそのまま立たせたような感じです。 イメージとしては、『平○たぬき合○ぽん○こ』のたぬきが立っている絵 (つまり映画としてのノーマルバージョン)ありますよね?あれです。獣人状態とでも呼びましょう。 「5分間ほど戦ってみるニャ!」 「ちょ、ちょっとまて!お前等は敵なのか!?」 「いまんとこはまだわからニャ―ニャ!」 そういってナービィはつめを振りかざし、クーに跳びかかります。 クーは空に飛び、避けます。 猫の姿の割には、スピードが無いのでクーは簡単に避けられました。 しかし、威力は相当の物の様です。クーが居た辺りにあったヤシの木に、深いつめ跡が残っていました。 あたったらひとたまりも無いでしょう。 「ニャー…うちは空飛べニャ―ニャ…ドービィ〜!どうにかしてほし〜ニャ〜!」 「元の姿に戻れば浮けるだろーがっ!」 そういってドービィは、ヤシの実をナービィに向かって投げます。つっこみの替わりでしょう。 ナービィはドービィからのつっこみを受け元の姿(球形)に戻り、クーを追いかけます。 しかし、ナービィの動きが急に止まります。 「ニャッ!?五分経っちゃったニャ!」 クーは普段、こんな得体の知れない、隙だらけの、 敵か味方かもわからないような相手に攻撃するなんてことはしませんが、 『スカ君』と呼ばれた事、その他諸々についてのむかつきを発散するかのように、 ナービィに向かって、ダーツのような羽を飛ばします。 プスッ 「ニャッ!?」 その一つがナービィのしっぽに刺さりました。 すると、どうした事でしょう。ナービィが地面へ向かって一直線に落ちて行きます。 途中で、慌てて飛び出したドービィがナービィをつかみ、ゆっくりと地面へと降ります。 「ったく!世話が焼ける…つまんねー勝負も見せられたし…」 「ニャ―!怖かったニャー!うちは落ちるのだけは勘弁ニャー!」 ナービィはパニック状態です。ドービィに抱きつき、なにやらワーワーと叫んでいます。 よっぽど落ちたのが怖かったようです。 クーがゆっくりと降りて来ます。少々呆れつつ…。 パニック状態のナービィに代わり、ドービィがクーに話し掛けます。 「ナービィはなぁ、しっぽにちょっとでもダメージ受けるとしばらく飛べなくなるんだ… ま、ナービィのインタビューは終わったみたいだからな、俺たち帰るから…」 とはいえ、自分と同じ大きさのナービィを抱えて帰ることは、ドービィには無理じゃないか? とクーは思っていました。 しかし、クーは気付きました。ナービィも変化したこと、そして、ドービィの名前の由来に…。 ドービィは背中にナービィを担ぎ上げると、クーに声をかけます。 「ああ、危ないからちょっと下がった方がいいぞー!」 と、ドービィが光り輝き巨大なドラゴンになったではありませんか! ドービィの背中で嬉しそうにはしゃぎながら、ナービィがクーに言いました。 「ニャ〜!結構楽しかったニャ!またあえるといいニャ!でも、そニョ時はピも君達も一緒がいいニャ〜!」 「ピ、ピも君?」 ≪ナービィ!あんまり身を乗り出すな!落ちるぞ!≫ ドービィにそういわれたナービィは、クーに手を振りドービィの背中の真ん中に移動しました。 それを確認したドービィは巨大な翼を動かし、ゆっくりと浮き、そして飛んで行きます。 夕日に映るドラゴンの影は、とてもあのどたばたコンビとは思えないほど綺麗でした。 そこへ、ちょうどカービィ達が戻ってきました。 呆然としていたクーに、カービィが声を掛けます。 「クー…あのトカゲは…」 「ドラゴンだ…あいつ等はいったい…」 「ドラゴン?あいつ等??」 「ああ…たしか、ドービィとか言う奴と…」 クーは、はっとします。 「そうか!作者だ!」 「「「へ?」」」 「作者だよ!あのナービィとか言う奴!作者と同じ名前なんだ!」 「…話が見えないんだな…。」 クーはカービィ達に今までにあったことを、解り易く説明しました。 「…って、事はそのナービィって人が作者と同じ名前なの?」 「カービィ、それはもう言った。…たしか作者もナービィだったよな?ナレーション。」 いえ、作者はな〜ビィ、クーさんが言ったのはナービィです。 「あんまり変わらないんだな。」 「とにかく、わからない事がまた増えただけって事だよなぁ…」 そこまで言って、リックはようやくマスターグリーンとの約束を思いだしました。 リック達も、簡単に自分たちに起こったことを説明しました。 「…で、俺も海に入れっていうことだな、カービィ。」 「うん!つぎあたりボス戦がありそうだから、全員揃って行かないとね!」 カービィは笑顔で言います。 どうやら、この物語では『ボス戦は全員そろって』という決まりがあるようです。 「やだなあ、ナレーションさん今頃気付いたのぉ〜?遅すぎ〜!」 だって、まだボス戦2回しかやってないでしょう?カインも今回初めてだし… 「とりあえず、行くのならさっさと行こう。次のステージに行くのが遅くなるぞ!」 前にも書きましたが、クーは羽が濡れると飛べなくなるのです。 その上、そろそろ日が沈みます。 早く行って、早く乾かす。こういう時は、さっさと物語を進めるのが得策です。 クーは一番に潜って行き、カービィ達が続きました。 さて、ここは虹の島々の上空。リップルフィールドより先は雲に隠れて見えません。 夜空に映るドラゴンの影…あのコンビが居ます。 ドラゴン状態のドービィ。その背中の上に獣人状態のナービィ。「ニャ、スカ君はまだ、しらニャかったニャ…」 ≪ああ、そうらしいな。≫ ドービィが静かに答えます。 「って事は、まだそんニャに『あいつ』に狂わされている訳じゃニャいニャ。」 ≪…これから先どうなるのかなぁ…この世界は…≫ しばらくの沈黙。 ナービィが急に言葉を発します。 「んー楽しそうニャ〜。」 ≪ちょっとまて!なんで楽しみにしてるんだ!?もう、少しずつこの世界全体に影響が…≫ 「うちは、災害とかがあったらいい想像だけして楽しむタイプニャ〜」 ≪能天気なやつ…でもいい想像ってのは悪くないなぁ…≫ 「そうニャ〜前向きにいくニャ!ドービィ!」 ナービィは元気にそう叫ぶと、横になります。 最初はニコニコしていましたが、急に寂しそうな顔をします。 そして、少しだけ呟きました。 「でも…うちだってちょっとは怖いニャ…」 ドービィは、何も言わず虹の島々から離れて行きます。 そして、キャンディ山のふもとへ降り立ち、言いました。 ≪…たまには気を休めないと、今夜はここで寝よう。少しは『仕事』も忘れられる。≫ ドービィはナービィを降ろし、元の姿に戻ります。ナービィも、元の球形に戻っています。 「だいじょうぶだって、明日また俺が飛んで行きゃーいいことだろ?じゃ、おやすみ。」 ドービィはコロンと横になって目を瞑ります。 ナービィも横になり、もとから明いてるかどうか解らないような目を…閉じたのでしょう。 そして、ドービィのほうへ向かって呟きました。 「…ありがとうニャ、ドービィ。」 ナービィはそのままドービィの反対側を向きます。 ナービィは、ドービィのしっぽが微妙に動いたのには気付きませんでした。 カービィ達は夜の海に潜っていました。 というのも、あの後すぐに日が沈んでしまったからです。 しかし、迷う事はありません。海の底の方は昼間の太陽のように光っていたからです。 少し深く潜るごとに、だんだん明るくなってゆきます。 と、下の方に変化が見えました。普通に暗いのです。 カービィ達は、ついにあの光の近くにやって来たのでした…。 NEXT 第9話〜リップルフィールド、VSスイートスタッフ〜
挿絵提供、ハムの星さん