『カービィとゆかいな仲間たち〜四神獣編〜』
第4話〜旅立ちの日〜
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前回、遂にナービィとドービィを発見したカービィ達。
しかし、ナービィは、少なくとも元気じゃなく、
それに、ドービィの様子がおかしいのでした…。
さて、その日の深夜、ふと目が覚めてしまったカービィは、
ドービィ達の様子を見に行きました。
(どうせ、寝てるんだろうなぁ…)
そう思いながら。
しかし、予想は外れていました。
ドービィは、ただただ夜空を見上げていました。
…星を見ているとは思えない、鋭い目つきで。
カービィは声をかけられずに、ただその様子を草陰から見ているのでした。
「ナービィ、奴ら…もう…来ちまうかな…」
「来るん…だったら…もう…来てるニャ…」
ナービィも起きていたようです。
尻尾が、ぱたぱたと地面を打ち始めます。
「…ナービィ、少しは良くなったのか?」
「うちの…回復力を…ニャめんじゃニャーニャ!」
「…無理すんじゃねーぞ?」
「ニャ…」
カービィは、そっとその場を離れ、また深い眠りに入るのでした。
『奴ら』。
カービィの眠っている頭の中で、その言葉がこだましました…。
…翌日…
カービィは珍しく早起きしました。
…早起きと言っても、他の皆と同じくらいの時間に、自力で起きただけですが。
「カービィ、珍しいじゃないか!」
「うん…ちょっと…」
「寝不足ナゴか?眠れなかったナゴ?」
「いや、そうじゃないけど…」
カービィは、昨日の事を言うつもりはありませんでした。
…何かもやもやしているから。
カービィは、その場を離れました。
と、クーが飛んできます。
「あ、クー…。おはよう。」
クーはその一言で、カービィの気持ちを察したようです。
「…あいつらの事か?」
「え?…まぁ…うん…」
「昨日の『奴ら』が気になってるんだろ?」
「クー、どうして知ってるの!?」
「俺は本来夜行性だ。」
「そっか、あの時、クーも居たんだ…」
クーは頷き、カービィは俯きました。
「あの…」
不意にピッチの声がしました。
クーの後ろにいたようです。
「ピッチ、居たんだ!」
「あ、はい…カービィさん。気になる事は、訊いた方が良いですよ。」
「でも…」
「『一歩踏み出さないと』でしょう?」
カービィは、ピッチをみます。
ピッチは…ただただ真剣な眼差しを送っていました。
「…そうだね。訊きに行こう!」
カービィ達はドービィ達の所に向かいました…。
『ドーォビーィ!!』
カービィはそこに着くなり、ありったけの大声で叫びました。
「あんだよぉ!うるせぇな!」
ドービィは、慌てて駆け寄って来ます。
「ドービィ、はっきり言うね…『奴ら』って誰?」
「カービィ…いきなり過ぎるだろ…」
クーの思った通り、ドービィは驚いて硬直状態です。
「カービィさんが、昨日の夜聞いたらしいです。」
「…知らねぇよ。」
「あ、良くあるセリフぅ〜!」
「うるせぇ!!」
何を話してるんでしょう、こいつらは?
ま、それは置いときましょう。
カービィ達が口喧嘩をしていると、奥からナービィが出てきました。
まっすぐには歩けていますが、やっぱり何かぎこちないです。
「ニャ…ダークマター達とその親玉ニャ。」
「ナービィ!!」
「ニャ…ピも君に隠しても…しょーがニャーニャ。
『奴ら』とは…ダークマター達の…事ニャ。」
「ダークマター『達』?」
「一匹じゃなかったのか!?」
「…おう。」
ドービィが、しぶしぶ、といった感じで喋りだします。
「あいつ等のボスは時を変えようとしている…
ん?…そういや、カービィには言ったはずだよな?」
「え?…んーと……ちょっと待ってて♪」
カービィは、慌てて草むらに入ります。
(ナレーションさん、ナレーションさん!)
はい?
(そんな事言われたっけ?)
…あんなに印象的だったのに、もう忘れたんですか?
(しょうがないよ、読者だってそう思ってるよ。作者の書き方下手すぎだもん!)
作者、怒りますよ?
(いいから、早く教えてよ!話が進まないよぉ!)
はいはい、虹の島々編の16話を読んでください。
(えっと…(読んでます)…あ、そうだったそうだった♪)
はい、じゃあ早く戻ってください。
カービィは、ダッシュで元の位置に戻ります。
「うん、確かに聞いたよ!」
「ニャー…その間はニャーニャ?」
「気にしない気にしない♪」
クー達はもう、前にカービィが受けたのと同じ説明を聞いていました。
「それで…その怪我は?」
「あの後…奴等の根城に乗り込んだ。」
「ニャ…詳しくはオープニングを…」
「それはもういいっつの…」
「そんなに強かったんだ、相手…」
「卑怯なだけだよ…」
「おーい!カービィィー!!」
カービィ達を心配してか、リック達もやってきました。
ナービィは、結局全員に話したいようで、リック達にも同じ説明をしました。
リック達の場合、質問が多くて…省かせてもらいます。
…会話中…
「そんなことがあったんだ…」
「驚きナゴ…」
「で?四神獣なら負けないんでしょ?何であんた達が乗り込む必要があるの?」
「奴らが…標的を変えた。」
「王竜を…直接狙うらしいニャ…」
カービィ達は、顔を見合わせます。
「強くて倒せないんじゃなかったんだな?」
「そりゃあ、倒すのは無理だ。」
カービィ達の頭の上に、今度は?マークが乱れ飛びます。
カービィがやっと言いました。
「無理なのに、どうして…?」
「ニャ…この星の…ポップスターの…古くからの…言い伝えを知ってるかニャ?」
「言い伝えナゴ?」
と、クーがハッとしながら言いました。
「…『西に位置する風の神獣、名をタフ―。
確かに彼は飛べぬ虎。
しかし、地を駆けるその姿、疾風の如し。
風と共に生きるものよ。
彼の怒りに触れたならば、
二度と風には出会えまい。
森の彼には気をつけよ。』
……これの事か?」
「ニャ。」
「本当は、あと四小節ほどある。その中に、こんな文があるんだ。
『王竜ホワンが闇に染まれば、星もまた闇に。』」
「それって…」
ドービィは頷きます。
「そういう事だ。」
「…やばいじゃない、どうするの?」
しばらくの間を置いて、ドービィが答えます。
「…俺達には止められなかった。」
ドービィはカービィ達に背を向け、ゆっくりと、独り言のように喋りだしました。
「もう、待ってるしかないんだよ、見てるしかないんだ…
…今までの…虹の島々でお前らに合う前のように。
俺達じゃ倒せないんだよ、奴らは!!」
最後の言葉は、森の奥まで届きました。
明らかに、怒りが込められていました。
敵への…いえ、自分への、怒りが。
「じゃあさ、みんなで行けば良いよ。」
カービィが静かに言いました。
「みんなで行けば、勝てるよ。」
「そうだよ、何で今まで言わなかったんだよ?」
ドービィは斜め下を向き、また呟くように言いました。
「お前らをこれ以上巻き込みたくない…」
「虹の島々の時はなんだったんだな?しっかり巻き込んでたんだな。」
ドービィは再び黙ります。
と、ナービィがドービィに一歩近寄ります。
「ドービィ…意地張ってる場合じゃニャーニャ。」
「……………。」
ドービィの反応を見て、ナービィはさらに近づきます。
そりゃもう、顔と顔がくっつく位に。
そして、ひそひそ話しをするときのような声で言います。
(ドービィ?世界がどうニャっても良いのかってお前、ニャん回言ったニャア?
うちに散々言った後に、弱気になってんじゃねーよボケェ!!)
カービィ達からは見えませんでしたが、その目は見開かれていました。
…その形相と口調には、恐ろしい物があります。
怪我なんてどこか行っちゃったみたいです。
(わ、解った、解ったっつの…ったく、お前がそんなにこの世界を守りたいなんて……?)
ナービィは、すでにカービィ達の方へ移動していました。
「ニャ、話しはついたニャ!これでまた、旅ができるニャ♪
うち、旅は大好きニャー♪ニャ−、ピも君♪」
「あ、うん…」
カービィは状態を良く把握できないまま、ぼんやりと答えます。
そして、ナゴ達にも同意を取った後に、ナービィ達との旅を決めたのでした。
その間、ただただ呆然としていたドービィは、やっとの事で呟きました。
「やっぱり自分の為か…それにしても…本当にすげぇ回復力だな…ナービィ…」
「で、どこに行く予定なの?」
「ニャ?」
「ニャ、って…決めてないんじゃないでしょうね!?」
「決めてはあるニャー!直接、王竜を尋ねるニャー!」
「そんな事できるナゴ!?」
「王竜は星の中心に居るニャー!だから、ドービィに連れてってもらうニャ。」
「あの…こんなに大勢、どうやって連れて行くんですか?」
「あ、そっか、まだ行ってなかったっけ?」
そうです。カービィは、肝心な事を言い忘れてました。
ドービィ達は変化出来る事を。
そうこうしてる内に、ドービィがドラゴン状態になります。
≪さ、乗れよ。≫
ナゴ達は、声も出ません。
初めてドラゴンという巨大な物を目の前で見たのですから、無理はありません。
カービィ達、慣れている組はさっさと乗り込みます。
「ナゴー!チュチュー!ピッチー!早く乗りなよぉ〜!」
「…とりあえず乗るナゴ。」
「はい…」
やっとの事でチュチュがよじ登り、全員が乗った所で、ドービィははばたき始めます。
≪…かっ飛ばすぞ!≫
浮上、一瞬の停止、そして、衝撃波を残しながら、弾丸のように、ドラゴンは飛び去りました。
「あなた、頑張ってね…」
夫を見守る、マインを残して。
ドービィの、その飛び方に迷いはなく、それどころか喜んでいるように見えました。
風を切り、星の中心地へ…。
乗っている者も、みな同じでした。
これから始まるであろう困難を考えても、仲間の集結に喜ばずには居られないのでした。
「よぉし!景気付けにぼく、歌うよ!」
「いいナゴね♪歌うナゴ!」
「あっ!ダメだ!カービィに歌はぁ!!」
迷いを無くしたドラゴンは、ただ飛びつづけます。
『は〜な〜もかがやっけ、きっぼおにみっちってぇ〜♪』
「「「「「「「ぎやぁぁぁぁぁ!!歌うなぁ!!!(ぐ〜い!!)」」」」」」」
騒音を撒き散らしながら…。
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次回、第5話〜王竜ホワン〜
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