『カービィとゆかいな仲間たち〜四神獣編〜』
第5話〜王竜ホワン〜
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前回、ドービィの迷いを解いたカービィ達。
今は、ドービィの背中に乗り、王竜の元へと向かっています。
ただ、ドービィの飛び方がフラフラです。
なぜなら…
『ウィーアーザワン、確かめ合えるぅ〜♪』
「もうやめてよ、カービィ〜!!」
『例えば誰かーが〜ブルゥになったらぁ〜♪』
≪人の話を聞けぇぇぇ!!!≫
これで10曲目です。
ナゴ達『カービィの歌声を甘く見ていた組』は、すでに気絶しています。
「ドービィ、まだ着かないんだな!?」
≪も、もうちょい…≫
…慣れてる組ももうやばいです。
「ぐぅぅ〜いい!!」
≪わあってるって!…っ!!≫
ドービィはスピードをさらに上げます。
それは、カービィの歌声(騒音)を早く終わらせる為でもあり…
「…あれか!?」
「そうニャー!あそこに居るのが…」
そう、王竜ホワンが見えてきたからでもありました。
≪着いたぞ!≫
ドービィは、王竜の近くにそっと着陸します。
「ナゴ、チュチュ、ピッチ、起きてよぉ!」
カービィがナゴ達を順番に揺さぶります。
「あ…カービィ…終わったナゴ?」
「…助かったわ…」
「ピィ…」
「こんな時に寝てちゃダメだよ♪さ、行こ!」
ナゴ達は、しっかりと頭に叩き込みました。
『カービィの歌はこの世の何よりも恐ろしい』と…。
「んで、王竜はどこナゴ?」
「…あそこだ。」
ドービィが示した先には、緑色の毛のような物が生えた、柱のような物があるだけでした。
カービィ達が近づいてみると、その柱のような物は、天辺が見えず、
太さも、ドービィ(ドラゴンの時)の5倍ぐらいはあるのでした。
その場所で上を見上げてみると、うっすらと緑がかった空が見えます。
「ここのどこに王竜が居る訳?」
「…近くで見ると本当に大きいな…」
クーが呟いたので、みんなの目線がクーに集まります。
「お前らは、カービィの歌騒ぎで見てなかっただろうが…
俺と、クーとナービィはしっかり見たんだ。
これは…いや、この方こそ、王竜ホワンだ。」
「これは、王竜の足ニャー!」
そう、この柱のような物は、王竜の足なのでした。
その証拠に、はるか遠くにもう1本の足が見えます。
薄くみどりがかった空だと思っていたそれも、
王竜の身体に他ならないのでした。
ここで、ドービィ達が上空から見た、王竜の姿を言っておきましょう。
カービィ達にもね。よく聴いていてください。
全身に、濃い緑色の体毛が生え、鋭く、それでいて優しそうな目は、天空を見据えていました。
巨大な両腕を天空に伸ばし、エメラルドグリーンの尾は風になびいていました…。
「へー…ありがと、ナレーションさん♪」
「…ここからじゃ、何も解らないですね…」
リックが、他のみんなより一歩前に出ます。
「おーい!王竜―!聞いてたら返事しろぉー!!」
プスッ!
久しぶりに、クーの羽がリックに刺さります。
「何すんだよクー!!」
「バカかお前はぁ!!」
「王竜に向かってそんな口利いて…これだから、ネズミは嫌ナゴ。」
「あんだとぉ!?」
と、急にリックの体が光に包まれます。
慌てて、リックがカービィ達を見ると、カービィ達の身体も光に包まれていました。
そして、声が直接頭の中に聞こえてきます。
『小さき星の民よ…儂が、王竜…星を任せれた者だ…』
カービィ達が戸惑っているうちに、ドービィが声で返しました。
「王竜様!実はこの星に…」
『知っておる…儂は星を担う者…黒き闇の軍勢は、儂が抑えておる…』
カービィ達は、なんて返していいのか解らずに、ただ王竜の話しを聞いています。
『…闇は無限だ…儂の力は無限ではない…その時がいずれ来る…』
「じ、じゃあ…王竜様でも止められないの!?」
「それはやばいナゴ!!」
『……完全に闇を消すには…受け入れるしか無い…だが…儂にはそれは出来ないのだ…』
しばらく、辺りは静寂に包まれました。
「じゃあ、四神獣の力は?」
皆がカービィの方を向きます。
「四神獣の力を全部集めれば、王竜様でも適わない力が出せるんでしょ?」
カービィの急な提案に皆驚きましたが、やがて表情に明るさが見えてきます。
「そ、そうだよ!四神獣ってのに、力をちょうだいって、頼みに行けばいいんだ!」
「あの、言い伝えにある四神獣に会いに行くの!?」
「…大丈夫ナゴか?」
「ニャ−、王竜にも会えたニャから、大丈夫だと思うニャ−♪」
「そうすりゃ、万事解決だな!」
「ぐぅ〜い♪」
「でも、どこに居るんだな?」
カインのその一言で、また皆の表情が暗くなります。
『小さき星の民よ…星を救いたいか?』
「え…?」
『その心は真実か?…その為だけに…四神の力を得ると誓うか?』
「…………」
『小さき者よ…それでも心を見失わぬ者よ…儂は、お前の活躍を知っておる…
一度、皆の喜びを取り戻した…カービィよ…信じても良いのだな?」
「えっと…。」
カービィは、皆を見回します。
皆は頷きます。
カービィは空を…王竜の方をしっかりと向き『はい!』と短く言いました。
『…儂が、送ってやる…朱雀…シェンクーの元へだ…
だが、やはり今は闇の相手が忙しいのでな…四人までだ。』
「四人…」
『言い伝えを信じ…良き仲間を選べ…』
カービィ達の周りを取り巻いていた光が消えます。
「言い伝えを信じ…か。」
「ドービィ、朱雀だって。知ってる?」
「えと…確か…
南に位置する炎の神獣、名をシェンクー。
炎に近づく者よ、気をつけよ。
いくら美しくとも、近づきすぎてはならぬ。
彼女の美しさに心を呑まれれば、
炎の美しさに身体も呑まれ、
後には灰さえ残るまい…。」
「…つまり、リックのようなバカはダメって事ナゴ。」
「お前のようなどんくさい奴もな。」
「ナゴはどんくさくないナゴ!!」
またしても喧嘩が始まりそうな雰囲気…。
「どっちにしろ、そこの二人は留守番だな。」
リックとナゴは、間抜けさ抜群の顔で硬直します。
効果音をつけるなら、ガビーンでしょう。
「炎か…相当暑いだろうな…」
「…オラ、火は嫌いなんだな。」
「うちらは、まだ完璧な状態じゃニャ−から…」
「(本当かよ…)とりあえず、俺達はパスで!」
「じゃ、ぼくと、クーとチュチュとピッチで決定だね♪」
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!わたし達の意思はどうなるのよ!」
「俺は行きたいと思ってたが?」
「…ぼくも、できるだけ頑張ります!」
チュチュに、目線が集まります。
「わ…解ったわよぅ…」
「じゃ、けってーい♪…ちょっと待ってて〜」
カービィはできるだけクー達からはなれて…
すぅー…ぱくっ
「はい、OK!これで四人だね♪」
「今何やったんだな?」
「気にしない気にしない♪」
「王竜、メンバーが決まったぞ!!」
再び、カービィ達が光に包まれます。
しかし、今度はシェンクーの元へ向かうメンバーのみです。
『儂が連れて行けるのは、シェンクーの領域の手前までだ…
そこからは、己の力を信じるがよい!!』
シュゥン、シュゥン、シュゥン、シュゥン
カービィ達がその場から消えます。
「これで、ナゴ達、しばらく出番ないナゴ…」
「だね…。」
ここは、ポップスターの南の方にある、ファイヤーバレー…。
そう、カービィ達は、ここに転送されてきたのでした。
ファイヤーバレーは、その名の通り火山活動が盛んで、所々から炎が噴き出しています。
「暑いね…」
「熱いって言った方が正しいんじゃない?」
「とりあえず、そのシェンクーとやらを捜さなくちゃな…」
「あっ、家が見えます!!」
カービィ達は、その方向に目を凝らします。
確かに、小さく家らしきものがあります。
「こんな所にも人は住んでるのね…」
「じゃ、まずはあそこ目指してレッツゴー!!」
カービィは、遠くに見える家を目指して、駆けて行きました…。
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次回、第6話〜平穏な時間?〜
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