『カービィとゆかいな仲間たち〜四神獣編〜』
第6話〜平穏な時間?〜
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前回、王竜ホワンに会い、四神獣に力を貸してもらう事にしたカービィ達。
まずは、南に居る炎の神獣、シェンクーに会いに行くことになったのですが、
王竜は敵を抑えている為に、四人しか転送できず、カービィ、クー、チュチュ、ピッチの四人が、
ここ、ファイヤーバレーに来る事になりました。
今は、遠くに見えた家を目指しているのですが…。
「遠いとは思ってたけど…遠すぎ…」
そう、ただでさえ遠くに見えた家ですが、ここはファイヤー『バレー』。
…スポーツじゃありません。『渓谷』です。
岩場に阻まれ、噴き出す炎に阻まれ…。
すでに、前回のあの時から二時間が立っていました。
「ピッチ、大丈夫か?」
「はい、なんとか…」
「ちょっとぉ!わたしの心配はぁ!?」
「…さっきから叫びっぱなし…チュチュ、どうみても元気だもん…」
「我慢してるの!!レディが情けない所なんか見せられないでしょ!?」
「…そうは見えないけどな…」
そう言いながらも、足(クー達は羽)だけは、一生懸命動かしています。
さらに一時間ほど経って、やっと目の前に家が見えてきました。
「やっと…着いたね…」
「休ませて…もらいましょうね…」
さすがのチュチュも、もうぼろぼろです。って言うかよれよれです。
「…ピッチはどうした?」
後ろを見ると、遥か後方にふらふら飛ぶ小さな影…。
クーも、最後の方は自分の事だけで精一杯で、ピッチに気付かなかったようです。
やっと輪郭がはっきりしてきた所で、ピッチが地面に降ります。
カービィ達は慌てて駆け寄ります。
「ピッチ!大丈夫ぅ!?」
「…はい…歩いた方が…まだ楽なので…」
「もうちょっとで休めるから!ピッチ、後少し!がんばって!」
「…あと…少…し…」
ぱたっ
ピッチが倒れます。
どうやら『後少し』の言葉を聞いて安心し、気が抜けてしまったようです。
「チュチュ、余計な事を言うなよ…」
「励ましただけじゃない!」
「とりあえず、あの家に行くのが先だよぅ!!…ん。」
カービィは、急に何か黒くて丸い物を吐き出します。
「ぐぅぅ〜ぃぃ!」
…グーイでした。もちろん、クーとチュチュは驚きます。
「グーイを呑み込んでたのか?」
「何で…?」
「ほら、人手は多い方がいいでしょ♪」
そう言いながら、カービィはピッチを抱き上げます。
「さ、早くあの家へ行こ♪」
カービィは、そのまま歩いて行きます。
グーイも『手ぶらで』(っていうか、手無いし)ついて行きます。
しばらく硬直していたクーとチュチュですが、声を揃えて呟きました。
「いや、グーイ出した意味ないじゃん…」

さて、目的の家まで辿り着いたカービィ達。
近くで見ると、その家は木で出来ていました。
それなのに、焦げ跡一つ見えません。
早速、カービィが扉をノックします。
とんとん…
「すみませ〜ん!」
応答はありません。
「留守か?」
「え〜…そんなぁ〜!」
チュチュが、時間割変更で美術が数学になった時の女子中学生のような声を出します。
「そんなぁ〜って言われても…」
カービィはドアに向き直ります。
どんどんどん…
「誰か居ませんかぁ〜!?」
「ぐぅぅ〜ぃ!」
家でやって欲しくない事ナンバーワンですね。家のドアをうるさく叩く事って。
「もう、ナレーションさんうるさいなぁ!!今はそれどころじゃないんだよっ!!」
…カービィ、性格変わってません?
「腹が減ってきたんだろうよ…」
あ、なるほど…。
どんどんどんどん!
「開けやがれぇ!こんちくしょー!!」
カービィ、借金取りみたいになってます。
もはや、いつものカービィはどこへやら…です。
「おらぁ!!」
どんどんど…ドバキッ!
…ドアが壊れました。
「あ〜あ…」
「俺は知らんぞ…」
「ぐ〜い…」
「おらぁ!飯だせぇ!!」
カービィが勢い良く中に入ろうとすると、何かにぶつかりました。
カービィも弾かれましたが、相手もしりもちをついたようです。
「てて…」
声の感じからすると、女みたいです。
「あ、ごめんなさい…」
衝突で我に返ったカービィは、慌てて謝ります。
「ん?あ…別に良いけど…」
「人…居たのか?」
その人に、クーが話し掛けます。
「居たのに、どうして出てこなかったんだ?」
「あぁ、寝てた♪」
はい、ベタ過ぎです。
しかし、今はそんな事を気にしてる場合じゃありません。
カービィは、ピッチの事を話しました。
「あ〜…ここら辺の熱でばてちゃったんだねぇ。
こんなチビがこんな所来るから…。
まぁいいよ、休んできな!」
「ありがとぉ!!」
「ぐぅぅ〜い!!」
カービィとグーイはそう言いながら破壊されたドアから中へ入っていきました。
「…カービィったら…」
「悪いな…会ったばかりなのに…」
「ま、良いってことよ♪」
某子供戦争の主役のようなセリフですね…。
まあ、それは置いといて、クー達もこの人の家に入ります。
思ったより中は広く、クー達が全員入ってもまだ余裕がありました。
ただ、そんな家の中央に、へたり込むカービィ(+グーイ)。
「冷蔵庫は?食べ物はぁぁ?」
「冷蔵庫なんてないよ。
こんな所だからね、そんなもんあっても無駄だし。」
「じゃあ食べ物は!?ねぇ!」
「今から調達しに行くとこだったかr…」
「無いのぉ!!??」
カービィは一瞬にして燃え尽きます。
それとは別に、勝手にベッドに乗せられていた、ピッチが目を覚ましたようです。
「ん…どこですか?ここ…」
「あ、起きたかチビ♪」
「え…と…?」
「そういえば、お互い自己紹介がまだだったな…。
俺はクー。んで…」
「わたしがチュチュで、あっちで燃え尽きてるのが、カービィとグーイよ!」
「ふ〜ん…アタシはロウ!ヨロシク!」
ロウは、クー達と一人ずつ握手します。
ところが、カービィは相変わらず反応しません。
よっぽどショックが大きかったようです。
「あの丸はどうしたのさ?」
「いや、カービィはほっといて良いから…」
クーの言葉を聞いたカービィが、叫ぶように言います。
「良くないよぉ!お腹すいたんだもん!!」
「…今度はだだっこね…」
「カービィさん、無い物は無いんですから…」
「だってぇ!お腹すいたんだもん!!」
「だーかーらぁー…」
「我慢できないよぅ!!」
しばらく、そんなドタバタ軍団を『楽しんで』見ていたロウは、やっと飽きてきたみたいです。
「じゃ、元からそうするつもりだったし、さっさと町まで行こうか!」
カービィ達が一斉に振り向きます。
「町って、この近くにあるの?」
「食べ物、あるんだよねぇ?」
「大きい町なのか?」
「どんな所ですか?」
「ぐ〜い?」
カービィ達は一斉に聞きます。
「いきゃあ解るって☆
さ、腹減ってるんだろ?行こ!」
そう言いながらロウはさっさと出て行きます。
その後に、クー、ピッチ、チュチュ、グーイ、カービィの順で続いていきます。
町への山道を、楽しくお喋りしながら、カービィ達は進みます。
〜「町か…」
「危ない奴も居るけど、結構良いとこだよ!」
「危ない奴…?」
「いいよ、何か食べられれば!」
「本当にk…」
「まったく、そんなに腹へってんの、丸?」
「丸じゃないもん!カービィだよぉ!」
「あ、あの…」
「まぁ、丸って呼ばれてもしょうがないがな…」
「クーまでぇ!!」
「そうよね〜カービィ、まん丸だもんね♪」
「まん丸だから、ぼくは人気者なんだよぉ!」
「そr…」
「じゃあ、丸で良いじゃんか!」
「やだよぅ!!」〜
カービィ達は、まだまだお喋りを続けます。
ロウの喋りっぷりに驚かされたり、負けじとカービィ達もいろんな事を話したり…。
平穏な旅は続きます。
(話に入りたいです…)
なかなか話に入れない、ピッチを半分忘れつつ…。
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次回、第7話〜フレアーストリート〜


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