第六話「戦い」
其ノ二『RIKE vs. DUAL』
観察して分かった事。
右肩付近からくる攻撃は、弾丸と言うよりは光線みたいな感じで、速度も申し分ない。
それとは対照的に、左肩付近からは、幾つもの弾丸が発射され、右よりも遅い分、多少追尾してくる。
こんな感じだった。
―――理解の分だけ、ライクはダメージを受けてしまっていたが。
「こいつッ!」
回し蹴りを避けられたライクはバランスを崩しかけ、転びそうになった。
それを見計らって、デュアルは右肩の光線と、手からの弾丸を浴びせた。
「なかなかしぶといな・・・二人も手間取ってるみたいだが」
上空を見上げながらデュアルが独り言のように呟いた。補足だが、この短編三部構成になっているこの第六話は、
時間的には、一、二、三、全て同時進行という事になっている。覚えておいて欲しい。
「人をゴキブリみたいに言いやがってッ」
「ほう。ならさしずめ、俺のコレは、殺虫剤か?」
嘲笑い、左肩から弾丸を放つ。なんとか避けようと動くが、追尾してくるので、どうしても当たってしまう。
策を講じようと頭をフルに回すが、途中で先程のような邪魔が入るので、一向に前に進まない。
「考えているのだな?無駄だ。幾ら君が三人の中で一番頭が切れようとも、この状況を打破する事など出来やしない」
承知していた。十分過ぎるほど。潜在能力は「人間」―――向こうは知ってはいないだろうが―――という事で、
堕天使と釣り合ってはいる。が、奴等があの謎の攻撃方法を持っている限り、どうあがいても差が開いてしまうのだ。
彼にも、何かあれば良いのだが・・・・・・?
――――――!
そうだ、アークが言っていたじゃないか。「実は、これは、汚染された天使達にも全く同じ事が言えてしまうのです」と。
なら、俺にも・・・?
筋は通っている。残るは実践のみ!
「・・・なあ・・・デュアル、だっけか」
「ほお・・・そういえば、スターが一回だけ、叫んでたか。よく覚えてたな」
「お前達が出しているその妙な技・・・何なんだ・・・」
「探求心旺盛・・・と言ったところか。良いだろう。これは『ディヴァイン』と呼ばれるもので、
堕天使全員に備わっている能力だ。俺の場合は、今まで繰り出してきた、三種の弾丸・・・」
見本とばかりに、両肩と右手から同時に、弾丸を放った。ライクが回避運動に移ったものの、やはり数発、当たった。
「満足したか?」
「ああ・・・」
刹那、ライクの手が輝き・・・
「ありがとよっ!!」
「ふーむ・・・意外と、簡単に出るもんだな」
自分の拳から出た巨大な弾丸と、巨大な剣を確認して、苦笑しつつライクが言った。
「俺の『ディヴァイン』はこの剣と、あの弾丸、か。短距離と長距離。便利だな」
デュアルが消え去ったのを認めると、ライクは剣を消し、イザスとジェスの元へと飛んだ。
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